ひょんなことから手元にやってきた、メルセデスのW124型ミディアムクラス。
デビューから30年以上も経過していますが
発売当初は50年間250万kmのメーカー保証が謳われていたという、傑作中の傑作車。
メルセデスが、最もメルセデスだった時代の象徴で
『偉大なる普通』と言われる伝説のモデルW124。
その中にあって、この個体
92年12月から93年8月までの9ヶ月間だけ製造された320Eなんですね。
しかも右ハンドルでエアバッグ付きで布内装でサンルーフレスのフルオリジナルというマニア垂涎の個体。
見た感じは、とても質素。
質素なんだけど、チープじゃない。
とにかく真面目で奥が深い感じがします。
こういうのを”質実剛健”って表現するんでしょうか。
本当に必要なこと以外はしてない代わりに、必要なことは”必要以上”にやってある
そんな印象なんです。
凝った造りのシート。
清々しい視界をもたらすキャビンの形状。
1発で決まるドライビングポジション。
ミシリともいわない鋼のボディ。
感心を通り越して、惚れ惚れ尊敬してしまいます。
先週末なんて、東京-大阪の往復で都合12時間
W124のステアリングを握っていたにも関わらず、腰も背中も首も痛くならなかったし
朝起きて、同じ距離をもっかい走れと言われたら走れるぐらいに運転疲労も皆無でした。
もしかすると夢か?なんて思いましたけど
その後レクサスLSに乗った時は2時間で耐えられなくなってしまいましたから、これは夢ではありません。
くだらない最新よりも、優れた過去の方がいい。
旧くなってもいいものはいいし、正しいことは正しい。
うん、正しさってのは旧くならないんだなぁ。
給油口のキャップが金属製ってところも(個人的に)そそられます。
旧いクルマが好きというのもありますけど
正しいクルマを選ぼうとすると必然的に、旧いクルマになってしまっている
というのもまた、事実なんですよね。