『スティック荒井』の愛称で
某業界ではカリスマ的な存在となっている、スティックシフト代表の荒井克尚さん。
雑誌や書籍なんかでご覧になっている方も多いのではないでしょうか。
実は20年来のお付き合い。
超多忙なスケジュールの合間を縫って、大阪まで会いに来てくれたり
私が東京で仕事の時は、いつも品川駅まで迎えに来てくださって
お宝がゴロゴロしてる彼のアジトでお茶しながらクルマ談義に花を咲かせたり…。
誕生日が同じで、お酒が飲めないのも同じ。
それよりなにより
僕の大好きな『真鶴』にかつてそびえ立っていた、荒井城の城主(つまり殿様)の末裔だってことを明かされた時は
さすがに腰を抜かしてしまいました。
そんなスティック荒井さん、我がW140のファイナルモデルを所望されました。
曰く
『あんなに素晴らしい状態の140、もう国内には残って無いんですよ』
『後悔させないんで僕に引き取らせてください、良い条件作ります』
その2日後
彼が出してきた条件(公開はできませんが)に…思わず我が耳を疑ってしまいました。
そんなこんなでW140の代わりに手元にやってきたのが、メルセデスのW124型ミディアムクラス。
デビューから30年以上も経過していますが
発売当初は50年間250万kmのメーカー保証が謳われていたという、傑作中の傑作車。
見た感じは、とても質素。
質素なんだけど、チープじゃない。
とにかく真面目で奥が深い感じがします。
こういうのを”質実剛健”って表現するんでしょうか。
本当に必要なこと以外はしてない代わりに、必要なことは”必要以上”にやってある
そんな印象なんです。
凝った造りのシート、清々しい視界をもたらすキャビンの形状、1発で決まるドライビングポジション、ミシリともいわない鋼のボディには
感心を通り越して、惚れ惚れ尊敬してしまいます。
先週末なんて、東京-大阪の往復で都合12時間
W124のステアリングを握っていたにも関わらず、腰も背中も首も痛くならなかったし
朝起きて、同じ距離をもっかい走れと言われたら走れるぐらいに運転疲労も皆無でした。
もしかすると夢か?なんて思いましたけど
その後レクサスLSに乗った時は2時間で耐えられなくなってしまいましたから、これは夢ではありません。
くだらない最新よりも、優れた過去の方がいい。
旧くなってもいいものはいいし、正しいことは正しい。
うん、正しさってのは旧くならないんですね。
旧いクルマが好きってのもありますけど
正しいクルマを選ぼうとすると必然的に、旧いクルマになってしまっている
というのもまた、事実なんですよね。
W124の詳細はまた、いずれこちらで。