目を閉じて想像してみてください。
今、あなたは平たい物の上に手を当てています。
それは事務机。
もうひとつは金庫。
ふたつとも同じ素材、同じ冷たさ、同じ硬さなのですが
目を閉じているにも関わらず、何故か事務机は薄く、金庫は厚く感じる。
今、あなたは平たい壁に手を当てています。
それはビル。
もうひとつはピラミッド内部にある石室の壁。
ビルはズシリとくるけれど、それでもなんだか壁の向こう側に空間を感じる。
一方、ピラミッド石室の壁はその向こう側に、計り知れない質量が存在することがわかっちゃう。
金庫にしてもピラミッドにしても
上から、横から手を当てているのだから重量や質量なんてわかりっこないハズなのに
手の平を通してビシビシ伝わってくる。
人間ってもともと、そんな感覚を持って生まれてきてるのかもしれません。
クルマなんて詳しくないし興味もなかった私の母親。
生前、クラウンやグロリアやセルシオやBMWに乗せた時は何も言わなかったのに
メルセデスに乗せるとボソッとひと言
「このクルマ、金庫みたいやな」
いや、もう、なんでそんなことまでわかっちゃうの?と驚きました。
クルマなんかに興味がない人でも
メルセデスに乗れば、密度感・凝縮感・重圧感が尋常じゃないと感じるのでしょうか。
人間の感覚も凄いですが、そんな感覚を持たせるW140
いやメルセデスの作り込みこそ、びっくりポイントなんじゃないかと思いますねぇ。