アルミホイール隆盛の時代が到来してからずいぶんと経ちますが
私のW126にはマニアが泣いて喜ぶスチール製の、いわゆる「鉄チン(てっちん)」と呼ばれるホイールが装着されています。
しかもプレーンなホイールカバーまで装着されていたりして、否が応でもノスタルジック感を煽ってくれる。
なんてレトロな風情なんでしょう。
うん。いいですねいいですねぇ。
鉄(正確には合金鋼)チンってアルミに比べると重いんですが、それでもファンの心を掴んで離さないわけは
長持ちしやすい強度とバネっぽさ(靭性=破壊抵抗性)がもたらすしなやかな乗り味。
入念に作り込まれた鉄チンの味を覚えると、もぉゴチゴチしたアルミなんかには戻りたくなくなるってもんです。
しかもアルミって元々は弱い金属ですから、W126の径(15インチ)辺りからサイズが大きくなるにしたがって
変形を防ぐために分厚くしなくてはならず、逆に鉄チンよりも重くなるケースが多いんですよ。
ほら、缶コーヒーぐらいのサイズなら多少は強くても、コーラの缶ぐらいになるとペコンペコンするじゃないですか。
かといって分厚くするとスチール缶よりも重くなる、と。
なるほどなるほど、大きなダンプやトラックが鉄チン履いてるのはそういう理由からだったんですねぇ。
なのに巷でアルミホイールがもてはやされているのは、やはり「軽い」という昔の常識がまかり通っているからなのでしょうか。
もはや乗用車でも大径車輪時代に突入した現代におけるアルミホイールのメリットなんて、加工がしやすくてデザインの自由度が高くなるといった点ぐらいしか残ってないのに。ねぇ。
あ、放熱性というメリットがあるな。
ま、それはともかくとして
いくら丈夫で長持ちの鉄チンでも、いつかはくたびれて使用不能になる時が来るかも知れません。
ううむ、新品はないのか新品は…って、かれこれ30年も昔の純正スチールホイールなんてレア中のレア品です。
どう考えても入手は困難でしょうから、さてさてどうしたものかなぁ…と。
純正で新品ならこの際、アルミでもいいぞアルミでも。
ところがですね。
探せど探せど見つからないんだな。
オンボロ中古品ならオークションでたまに出品されていることはありますが、さすがに新品ともなると見かけません(奇跡的に見つかっても4本揃ってないとか)
そりゃあディーラーさんに頼んで本国発注してもらう手もあるけれど、きっと目ん玉飛び出すぐらい高いだろうし…
ここはやはり、御仁(W126の前オーナー)に相談だな。
『あぁ、純正アルミなら新品がありますよ』
『ひ、ひえぇ』
御仁はもう1台、同じモデルを所有されていて(そちらは走行距離の日本記録を狙っておられて、私の126は保存用でした)
その交換用として数セットのアルミホイールをストックされているそうです。
30年モノでもあるところにはあるんですねぇ。
御仁、やっぱりすごいなぁ。
ここは万一の時のために、お願いして1セットを譲っていただくことにいたしました。
もし仮に出番が回ってこなくてもスタッドレス用に活躍できますから、無用の長物にはならないで済みそうです。
でも、新品かぁ。
やっぱり飾っとこうかなぁ(おい)