バブル旧車の同人誌『ハチマルヒーロー』にご掲載いただいてから早4年
今回は私の『もう一度所有したいクルマ』ベスト10にもランクインしている
"Japan Original" インフィニティQ45についてのお話。
四半世紀もの間、岡山にお住まいの資産家さん宅の庭先に建っている納屋みたいなガレージで
埃をかぶって放置されていた走行距離28000kmのお宝に遭遇したのは、2014年の秋だったかな。
見つけた数分後にはインターホンを鳴らして『お願い!私に譲って!』と、そのじいさんに頼み込んでました。
『うーん…気に入ってるんだよねぇ』
と仰られる割に、動かしてる様子はありませんでしたが。
それはさておき
まだ若く多感だったバブル期の私は『日産車こそが最高』と考えていて
この甲冑を身に纏った戦国武将のような出で立ちと
茶室を連想させる凜とした設えに惚れ込んでいました。
にもかかわらずブームに流され、ライバルだったトヨタセルシオを買ってしまい
街でQ45を見かけるたびに、えも言われぬ背徳感に苛まれてきたという経験があります。
乗るならワインレッド、その上玉があれば
いつか手に入れてみたいと思っていたその1台が
まさにいま、目の前にある。
熱意が届いたのでしょうか。
どれくらいの時間が経っていたのかは記憶も定かではありませんが、Q45は晴れて私のガレージに収まることになったのです。
"世界一高価"と言わしめた『幻の純正車載工具(KTC製ミラーツール)』だって、ちゃんと残ってました。
しかも未使用の状態で。
折角なんで、他の写真もついでに載せときますか。
これはカメラ好きでクルマ屋の知人に、是非撮らせてくれとせがまれたんですが
うーん…やっぱり上手ですねぇ。
陶器のようなコンディションとでも言いましょうか、よもやこれが30年近くも前に造られたポンコツ車のオリジナルペイントであるとは誰も思わないでしょう。
この"侘び寂びの国から生まれた世界戦略車"ですが
現在では私よりもオーナーに相応しい、日産旧車マニアの御仁の元で大切に保存されています。
いかん、また欲しくなってきた。