クルマのボディは、一見すると塊のように見えますが
ドアはラッチに引っかかっていて、その隙間をゴムが塞いでいるだけなので
フロート状態、つまりボディからは浮いているんですね。
したがってドアは、ボディ剛性には直接的に関与をしていないということがわかります。
ボンネットやトランクも同じ。
特にワゴンのボディは一般的なセダンと違って、荷室との間の隔壁もありませんから
ドアとリアゲートを取っ払うと、実は穴だらけということになります。
そうです、筒です筒。
牛乳の紙パック、あれの口を開いて横に倒し、左右側面に2つずつ大きな穴を開けた姿
さらにサンルーフ付きだと上面にも穴を追加した状態をイメージしていただければ、まあだいたいアタリでしょう。
ようするに、そんな穴だらけのボディにタイヤがくっついてるもんだから
走行中は加速したり曲がったり段差乗り越えたりブレーキ踏んだりすると
それはそれはぐにゃぐにゃのへなへなっぷりが伝わってくるものなんです。
ところがですね。
ところが、車検時にディーラーさんがご用意してくださった代車を乗っていた時のことです。
それはメルセデスのCクラスワゴン。
運転中、ルームミラーに目をやる度に
リアガラスが随分と離れていて、あらためてこのクルマがワゴンだったということを思い出すくらいにガッチリしていました。
ミシリ、とも言わない。
ワゴンボディの剛性感がセダンタイプと遜色ないレベルにまで高められているのは
メルセデスのよき伝統で、それは最近のモデルでもきっちりと受け継がれていました。
私の相棒を務めてくれた6日間
思わず「キミは金庫か」とツッコミを入れてしまったのは、1度や2度ではありません。
さすがは世界で最初に自動車をつくった会社。
脱帽。