かつて経営をお預かりしていた会社で『水素水サーバー』を導入した時の話。
製造されたばかりの水素水を、その場で飲めますので
市販品に比べて遥かに水素濃度が高いというというのがメリット。
体内の活性酸素と水素が結びつき、水となって体外に放出されるらしく
身体が慣れてくるまでの間、その利尿作用は激しいと言えるレベルです。
身体の酸化を抑える。
お肌にいい。
痩せる。
お通じがよくなる。
腰痛も改善する。
そんな巷で騒がれている効能が真実なのか、はたまた都市伝説であるのか。
それは使い続けた人でないと分かりませんし、水素水を摂取するだけで何もかも全てが好転するというものでもないでしょう。
それでも導入に踏み切ったのは、社員の健康、精神衛生を考えたら
無いより在った方が絶対に良いと思ったからです。
そんなもん気持ちの問題じゃないか、と言われるかも知れませんが
だったら気持ちよく働いてもらえる環境の方がいいに決まってるじゃないですか。
先ず、あれこれ言われることを先刻承知で社員の為に出来ることをやる。
というか、そもそも人間は出来ることしか出来ませんから。
たったひとつの改善で、そうやすやすと社員が満足し、やる気が漲り、会社の雰囲気が善くなり、業績に跳ねっ返る、などと更々考えてはいません。
けれど、そのたったひとつの改善を等閑にするような自分であれば
もう経営をする資格なんて無いとも思っていました。
これは社員を甘やかしたいわけでも
おもねるわけでも
人気点数を稼ぎたいわけでもなく
ただひたすらに生産性を高めるための積み重ねをしているひとつに過ぎず、その為のコスト増ならタダみたいなものだと。
例えばフィットネスジムなんかだと、毎月1500円前後を支払えば飲み放題という料金体系なのですが
うちの社内はもちろんタダでした。
それを社員のコたちはあたりまえに思っていたかも知れませんね。
この水素水サーバー、私が辞めてすぐに撤去されたらしいですが
『あたりまえ』の反対語は『ありがとう』
その意味を彼ら彼女らが少しでも理解して、自身の成長に繋げてもらえたなら
"経営者の本懐ここに極まれり"といった感じでしょうか。