無苦庵記【気づきブログ】

バブル期の自動車&甘味に目がない経営コンサルタントの拙いブログです。

最後の徒花

1905年に行われた日本海海戦から、来年で115年目を迎えます。

その戦闘で日本が、当時世界最強と謳われた大国ロシアのバルチック艦隊を撃ち破るという、世界仰天前代未聞の出来事が起こりました。

日本が使用していた戦艦は、同盟国であるイギリス製だったわけですが

この勝利に腰を抜かしたのは他でもない当のイギリス自身で、ついには戦艦の有する戦争に於ける効力を確信するに至り
それが従来の2倍の砲力を持つドレッドノートという巨大戦艦の建造に踏み切った理由なのだとか。

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列強各国はドレッドノートの出現によって、自国の戦力が一気に無力化したと考え恐れをなした結果
次々にドレッドノート級を超える戦艦を世に放つこととなりました。

ドレッドノート級戦艦。

『超ド級』という言葉の由来だそうです。

 

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しかし、それら各国の如何なる超ド級戦艦をも凌ぐ
世界最大にして最強の火力を携えた戦艦「大和」と「武蔵」を日本が建造した頃には、既に世界は大艦巨砲主義から航空機の時代へと移り変わっていました。

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大和と武蔵が、小さな戦闘機の容赦ない猛攻に晒され
海の奥底に沈められてしまった様は、あたかも軍隊アリの行進に巻き込まれた牛のようでもあり
それはITが普及し始めた頃のビジネス社会でも、大企業が数名規模の会社に喰われるという事態を以って現実と化しています。
(さらに近い将来、労働者としての人類がAIの脅威に晒される日が訪れるとも言われてますが)

 

自動車の世界に於いてもそれは顕著で、多気筒大排気量高出力エンジンを搭載した大型車への憧れは薄まり
人々の興味と感心はカメムシみたいな姿のハイブリッドカーを経て、やがては燃料電池車〜自動運転車へと移り変わってしまうでしょう。

 

もはや自動車に対して『威厳』などというコンテンツを全く必要としない時代が到来してしまったんですかね。

 

そして時代に取り残された私のような旧タイプのクルマ好きは、それでも大艦巨砲な自動車を捨てきれず
エコカーも所有することで、なんとかバランスの取れる道を探る日々を送っていました。

 

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それなのに、見つけてしまったのです。

自動車が大艦巨砲主義だった時代の幕が下りる間際に咲いた最後の徒花
ド級と呼ばれたクルマの生き残りを。

W140メルセデスベンツSクラス

それはさながら
戦後40年目に大和が、そして70年目に武蔵が
それぞれ南方の海底で発見されたことをニュースで知った時に去来した、あの切ない想いとよく似ています。

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誰かが拾ってやらなければならないと思うものの
その誰かが『自分』でなければならないという大義など、どこにもありません。

けれど、遺していくべきだと心が叫びました。

新鋭コンパクトカーを手放し、過去の幻影に取り憑かれる自動車生活に逆戻り。


だが、それがいい


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